診療科

呼吸器外科

完全胸腔鏡下手術について

胸郭と胸部内臓(肺と心臓)

写真1:標準開胸手術

胸部には、心臓、肺、大動脈、気管、食道、その他の重要な臓器があり、これをガードするように、左右に肋骨、前に胸骨、後に胸椎(背骨)があります。そのため、胸部の内臓の手術(標準開胸手術:写真1)を行うためには大きな皮膚切開創をおき、肋骨を強く押し広げたり、胸骨をのこぎりで切り開いたりすることが不可欠でした。このため、従来の手術では創が大きく、術後の痛みも強いなど患者さまの負担は非常に大きいものでした。



胸腔鏡下手術とは

写真2:胸腔鏡補助下手術

胸腔鏡下手術には、現在大きく二つの流れがあります。一つは"胸腔鏡補助下手術(写真2)"であり、もう一つは"完全胸腔鏡下手術(写真3)"です。

当院でも胸腔鏡補助下手術を平成15年4月より採用していましたが、さらに改善すべき点が明かとなり、平成18年8月より胸腔鏡のみの視野で行う完全胸腔鏡下手術に切り替え、現在に至っています。

完全胸腔下手術は難易度が高く、外科医に負担を強いるという短所があるものの、胸腔鏡から得られる画像は明瞭かつ精細であり、細部までの観察が可能になります。そして何より術後の痛みが少なく、早期退院が可能といった長所がはっきりとあらわれるのがこの術式です。

写真3:完全胸腔鏡下手術

完全胸腔下手術を含めた内視鏡下外科手術は、患者さまの Quality of Life を高めることができる21世紀の医療だと思います。
また、私たち医師には「患者さまに優しい医療を提供したい」という気持ちが根底にあり、この術式はそれを十分に満足させることのできるものだと考えています。