診療科・部門紹介

DEPARTMENT

呼吸器内科・呼吸器腫瘍内科

施設認定

  • 日本呼吸器学会認定施設
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門研修プログラム基幹施設
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医認定施設
  • 日本アレルギー学会アレルギー専門医教育研修施設
  • 日本臨床腫瘍学会認定研修施設(連携施設)

当科について

呼吸器内科・呼吸器腫瘍内科は、「安全で質の高い最新の地域医療を患者さまに提供する」を基本理念として、8名のスタッフで肺や胸部の病気の診療にあたっています。全スタッフが呼吸器疾患全般の診療に携わり、各々の領域の診療レベルの向上に努めています。

対象疾患は、肺がん、縦隔腫瘍、気管支炎や肺炎、間質性肺炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支喘息、気胸、胸水貯留、気管支拡張症、肺結核、非結核性抗酸菌症、睡眠時無呼吸症候群など多岐にわたります。なかでも肺がんは現在我が国でがんによる死因の第一位であり、日々進歩する治療、多様化する副作用、高度化する診断などにおいて、複数の科や多職種による連携が必要な時代となっています。

当院は大阪府のがん診療連携拠点病院に指定されており、肺がん治療に関して高度専門医療の提供を行っています。東大阪市さらには中河内地域の肺がん診療において最新の知見をもとに最適な標準治療を遂行すべく、2005年から呼吸器センターを立ち上げ、呼吸器内科・呼吸器腫瘍内科・呼吸器外科・放射線治療科・放射線診断科・病理診断科・緩和ケアチームなど関連した診療科が一丸となり、患者さま毎に最適な治療法を提供できるよう努めています。看護師・薬剤師・ソーシャルワーカー・管理栄養師・理学療法士・作業療法士などのコメディカルとも密に連携しながら、治療は勿論のこと社会的なバックアップ体制などについても助言や相談をおこなっています。

また、肺がんは治療中の救急受診が最も多い部類のがん腫といわれており、当院では24時間365日救急医療を実施し、急に起きる治療中の合併症や毒性対応についても安心した医療を提供しております。

主な疾患・治療法・検査法

肺がん

肺がんとは肺に発生するがんの総称です。我が国の肺がん死亡数は1960年代から男女とも一貫して増加しており、男性では部類別悪性新生物死亡率が1993年に胃がんを抜いて第1位に、女性でも第3位となり依然増加し続けています。
肺がんの症状とは?
大きさや場所によって様々な症状が出現します。咳や血痰といった症状を呈することもありますが、大きくなっても無症状であることもあります。胸背部痛や喘鳴、息切れ、声がかすれる、顔面や首のむくみも症状として認める事があります。また一般的ながんの症状として、疲れやすい、食欲低下、体重減少、発熱といった症状も現れます。
肺がんの検査とは?

【肺がんの診断のために施行する検査】
①気管支鏡検査
気管の中に細いファイバー(カメラ)を入れて行う検査です。当院では、肺がんの正確な病理組織診断を得るために、細径気管支鏡検査、気管支腔内超音波検査、超音波気管支鏡ガイド下針生検、3次元的仮想気管支ナビゲーションシステム、ガイドシースの併用などを施行します。呼吸器病の診断に特に有用な検査で、肺がんのほか、肺結核、間質性肺炎など胸のレントゲンやCTで異常を認められる場合に行います。

②CTガイド下生検
CTを撮影しながら、病変部を確認し経皮的に安全に生検を行います。気管支検査では到達困難な病変に対して施行します。

 

③胸腔鏡下肺生検
上記検査では診断が困難な場合に施行します。

【進行度の診断のために施行する検査】
胸部X線、胸部CT、頭部造影MRI、PET/CTなどの画像検査を施行し、病期(がんの進行度)診断をします。

【腫瘍の遺伝子検査や免疫染色について】
近年、肺がん治療では分子標的薬治療や免疫checkpoint阻害薬といった治療が承認されており、対象となる患者さまには腫瘍の遺伝子検査や免疫染色を実施し、一人一人に合った治療を検討していきます。それにあたり当院では、国内の他施設と協力して網羅的遺伝子解析を行い最先端の治療方針を検討する場合があります。
肺がんの治療とは?
肺がんの治療は大きく手術療法、放射線療法、化学療法に分かれます。どの治療においても東大阪市や中河内地域で屈指の症例数を誇っており、最新の知見をもとに最適な標準治療を施行できます。

【手術療法】
当院では呼吸器外科にて胸腔鏡を用いた低侵襲手術を中心に施行しており、腫瘍の進展具合により、肺全摘出術、葉切除術、区域切除術、スリーブ切除術をおこなっております。

【放射線療法】
放射線を照射することで腫瘍病変部の局所制御をおこないます。通常の分割照射に加えて、体幹定位肺照射治療も施行しています。強度変調放射線治療(Intensive Modulated Radiation Therapy:IMRT)や強度変調回転照射法(Volumetric Modulated Arc Therapy:VMAT)を用いた高精度な照射技術によって、より体への負担が少ない放射線治療も可能です。骨転移病変や脳転移病変に対しても放射線療法を施行しております。

【化学療法】
抗がん剤による治療です。当院では最新のデータに基づいて抗がん剤を選択しております。腫瘍の網羅的遺伝子解析や免疫染色を実施し、分子標的薬治療や免疫checkpoint阻害薬による治療を含めて、最新のガイドラインや知見で推奨される最適な治療を決定し施行しております。外来化学療法センターでの外来化学療法も積極的におこなっています。

【集学的治療について】
肺がんの治療には上記治療を組み合わせておこなう集学的治療が不可欠であり、当院呼吸器センターでは週1回実施するカンファレンスにて個々の患者さまの治療方針を決定しております。

眠っている間に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS:SleepApnea Syndrome)は気道の閉塞などの原因で、睡眠中に何回も呼吸が止まる病気です。 いびきや起床時の頭痛、日中の睡眠や倦怠感などの症状があります。 また、高血圧や脳卒中などの循環器疾患や、糖尿病などの合併症を引き起こすこともあります。 そのうえ、日中の眠気のために、交通事故や産業事故などを引き起こす可能性があります。 ですから、患者さまに合わせた、適切な検査と治療が必要です。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群

睡眠ポリグラフィー検査とは?

睡眠時無呼吸症候群の原因や重症度を調べたり、治療方法などを決定するためには十分な検査が必要です。 睡眠時ポリグラフィー検査は、睡眠の状態を全体的に調べる検査です。入院して頂いて、脳波や心電図、胸部の動き、血中の酸素量などの検査端子を体に取り付けて一晩寝ていただきます。痛みは全くありません。 当院では、外来で問診や簡単な検査をし、睡眠時無呼吸症候群と疑われる方には、日程を御相談し入院して当検査を受けていただきます。

睡眠ポリグラフィー検査

睡眠ポリグラフィー検査

治療方法とは?

適切な治療を行うと日中の眠気や倦怠感などの症状がなくなるだけでなく、合併症を予防したり、改善することができます。 軽症の方は、減量や飲酒を控えるなど生活習慣の改善により症状が軽減したり、なくなることもあります。 中症~重症の方はCPAP療法が第一選択です。

CPAP(シーパップ)療法
鼻マスクから気道に空気を送り込み、気道の閉塞を防いで無呼吸をなくす治療法です。CPAP療法を受けていただく場合は、睡眠ポリグラフィー検査後さらに1~2日の入院が必要となります。 また、当検査後一旦退院し、後日CPAP治療を導入することも可能です。

肺炎、肺結核症

熱・咳・痰・息苦しさなどで受診されます。 肺炎の原因は、患者さまの年齢・状態によってもさまざまで、抗生物質の投与などを行います。慢性の咳、痰、微熱では、肺結核が発見されることもあり、一般の抗生物質では効果がなく、複数の抗結核薬の長期使用が必要になります。一般に2週間以上咳が続くときは、レントゲン検査を受けた方が良いといわれています。

気管支喘息、アレルギー性疾患

気管支喘息

夜間や明け方に息苦しくなり、喉がぜいぜいという発作を繰り返すのが典型的な症状ですが、咳のみが続くというタイプのものもあります。最近は気管支拡張薬(気管支を拡げる薬)の吸入・内服から、ステロイド吸入薬へと治療の主体が移ってきており、発作のコントロールがしやすくなっています。ステロイド吸入には、スプレータイプのものとパウダータイプのものがあり、専用の吸入器を用いて吸入します。

びまん性肺疾患(間質性肺炎・肺線維症 他)

間質性肺炎
咳・熱・呼吸困難といった症状は一般の肺炎と似ていますが、レントゲンでは、すりガラス状の陰が見られ、原因不明のものも多い病気です。慢性に炎症を繰り返すと、肺が線維化して硬くなり(肺線維症)、慢性呼吸不全(慢性の酸欠状態)の原因になります。急性の状態では、ステロイド剤や免疫抑制剤の投与が行われます。

慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎、肺結核後遺症など)

肺気腫
体を動かした時の息切れ、慢性の咳・痰・喘鳴(喉がぜいぜいいうこと)などをきっかけに受診されることが多く、喫煙者に多いことも特徴です。レントゲン・CTでは、隙間が多く、伸びて大きくなった肺が見られます。禁煙を行い、去痰剤(痰を出しやすくする薬)・気管支拡張薬などを使用します。在宅酸素療法(自宅に酸素を作る装置を置き、携帯用酸素ボンベを持って外出する)を行うこともあります

気胸

突然の呼吸困難、胸の痛みで受診されることが多く、入院をすすめてびっくりされることの多い病気です。肺が破れること(気胸)が自然に起こることを自然気胸といいますが、もともと肺の中に破れやすい所を持っていることが多いです。気胸が初めて起こった場合の多くは、縮んだ肺の外側(胸腔)に胸腔ドレーンというチューブを入れて、肺から漏れ出した空気を逃がしてやり、肺が再び膨張して、傷がふさがるのを助けます。再発することも多く、破れやすい所を取り除く手術が必要になることもあります。

各種胸膜炎、膿胸

胸膜炎、膿胸
肋骨や筋肉の内側と肺の外側は、胸膜という膜に覆われています。この膜に炎症などが起こると胸膜に覆われたスペース(胸腔)に水(胸水)がたまります。この炎症を胸膜炎といいます。また、胸腔内に膿がたまった状態を膿胸といいます。胸膜炎の原因はさまざまで、代表的な物に細菌感染、結核、肺がんなどがあります。治療は原因によってさまざまですが、薬物の投与や胸腔ドレーン(胸腔に入れるチューブ)による排液などを行います。

実績

※2020年度以降、新型コロナウイルス感染症の診療に伴い、肺がん治療以外の診療を制限していた時期があります。

入院

年度 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
延患者数 15,090 16,794 16,523 10,311 10,225
新患者数 1,100 1,009 905 620 654
疾患別
年度 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
肺がん
399 365 331 267 185
肺炎 160 157 134 51
40
間質性肺炎 65
78 64 53 37
気管支喘息 18 23 23 7 13
自然気胸 37 40 22 20 12
COPD 70 52 33 18 12

外来

年度 2017年
2018年 2019年 2020年 2021年
延患者数 21,657 21,476 21,805
17,326 14,274

気管支鏡検査

年度 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
BF 370 340 306 249 175
EBUS-TBNA 21 27
33
28
17

肺がん等の化学療法

年度 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
外来 730 778 1,000 1,282 1,504
入院 510 486 468 433 278

診療スケジュール

※呼吸器内科外来体制について
診療につきましては、風邪症状のある方は事前に新型コロナウイルス抗原検査を受けていただいてから診察となります。
ご利用いただいております患者さまにはご不便をおかけすることとなりますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

朝診
9:00~
(受付 7:00-12:00)
昼診
※予約制
14:00~
(受付 13:00-16:00)
夜診
18:00~
(受付 16:00-19:30)
朝診 1診 吉本 中井 吉本 交代制
2診 青原 引石 - 中濵 睡眠時
無呼吸外来
10:00~
昼診※予約制 - - - - - -
夜診 1診 交代制 交代制 交代制 交代制 交代制 -
2診 - - - - - -

2024.1.1.現在

担当医師のご紹介

南 謙一

みなみ けんいち

呼吸器内科 部長
  • 資格
  • 日本内科学会認定内科医・内科指導医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医
  • 日本アレルギー学会専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本医師会認定産業医
  • *臨床研修指導医
  • 学会役員
  • 日本呼吸器内視鏡学会評議員
  • 大阪公立大学医学部臨床教授
  • 兵庫医科大学臨床教育教授

平島 智徳

ひらしま とものり

呼吸器腫瘍内科 部長
  • 資格
  • 日本内科学会認定内科医・内科指導医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医
  • 日本臨床腫瘍学会指導医
  • 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本緩和医療学会緩和医療認定医

吉本 直樹

よしもと なおき

呼吸器内科 副部長・化学療法センター副センター長
  • 資格
  • 日本内科学会認定内科医・内科指導医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本臨床腫瘍学会指導医
  • 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
  • ICD(インフェクションコントロールドクター・日本呼吸器学会)
  • 大阪公立大学医学部附属病院化学療法センター医 兼任
  • 2016年 大阪市立大学 大学院 呼吸器内科卒業(医学博士)
  • *臨床研修指導医

谷 恵利子

たに えりこ

呼吸器内科 医長
  • 資格
  • 日本内科学会認定内科医・内科指導医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本アレルギー学会専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • ICD(インフェクションコントロールドクター・日本呼吸器学会)

中濵 賢治

なかはま けんじ

呼吸器内科 医長
  • 資格
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医
  • 日本内科学会認定内科医・内科指導医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 2023年 大阪公立大学 大学院 呼吸器内科卒業(医学博士)

引石 惇仁

ひきいし あつひと

  • 資格
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
  • 日本内科学会認定内科医・内科指導医
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本医師会認定産業医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医

青原 大介

あおはら だいすけ

松下 雄大

まつした ゆうだい

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