突発性難聴及び末梢循環障害
突発性難聴
突発性難聴は誰にでも起こりえる疾患で、文字通り突然発生する中等度から高度の感音難聴です。起床時に気がつくこともあります。毎年、約5000~1万人に1人が発症するといわれ、珍しい疾患ではありません。現時点ではステロイド投与が治療の中心ですが、高圧酸素療法を併用することでより良い治療成績が期待されます。早期の治療開始が重要とされますが、2週間以上経過した症例でも、高圧酸素療法で改善した症例の報告もあります。特殊な装置であり、大阪府内でも高圧酸素療法が可能な施設は限られますが、石切生喜病院では積極的に使用しております。適応については耳鼻科の外来でご相談ください。
難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
心筋梗塞や冠不全により心臓の筋肉の一部が低酸素状態になっていることがあります。それに対して高気圧酸素治療を行うことにより直接酸素を供給することができます。
動脈硬化により足先へ血液が流れにくくなると、酸素が行き届かずに足が壊死してしまいます。高気圧酸素治療により、低酸素の組織に酸素を供給して血管を新生することを手助けします。
高気圧酸素治療は、大量の酸素を潰瘍部の血流を低下している部位に供給して、さらに酸素の拡散距離を増加させることにより、低酸素状態にある組織の修復過程を促進するとともに、側副血行路の発達を促すと考えられています。