診療科・部門紹介
DEPARTMENT

診療科・部門紹介
DEPARTMENT
「アピランスケア」とは「医学的・整容的・心理社会的支援を用いて、外見の変化を補完し、外見の変化に起因するがん患者の苦痛を軽減するケア」と定義され、がんやがん治療によって起こる外見上の変化(脱毛・肌や爪の変化・手術痕など)やそれに伴う心理的・社会的な不安についての相談を化学療法センターのスタッフがお受けいたします。治療によってはあまり外見の変化を伴わない場合もありますし、患者さまご自身が変化に対して特に気にならないようであれば全く問題はありません。ただ、治療による外見の変化に対して不安や悩みがあるようでしたら、一人で抱え込むのではなく一度ご相談頂けましたら、医療スタッフという立場から少しでもお力になれるのではと思っております。
抗がん剤治療における相談の多い悩みの一つは「脱毛」です。「抗がん剤により脱毛します」と副作用の説明をされても、実際はそのような経験をしたこともないし、ウィッグ(かつら)も使用したことがない患者さまがほとんどです。私たちは、脱毛リスクの高い抗がん剤治療を始められる方や脱毛について不安のある方に対して、脱毛時期や脱毛期間の髪の手入れ方法などを説明し、相談や質問にできる限り対応させて頂いています。ウィッグ購入を検討される方に対しては、パンフレットのお渡しや購入方法を説明し、実際にウィッグを装着して頂いて「ウィッグはどんな感じか?」を体験して頂き、よりイメージを具体的にしてもらいます。脱毛と聞いてとても落ち込んでいたけれどウィッグを装着してみて「こんな感じなんだ!そんなに変わらないね」と笑顔をこぼされ、ウィッグの準備とともに脱毛に対する心の準備も整えられて治療に臨まれる患者さまも多くいらっしゃいます。
ウィッグ
抗がん剤による「爪の変色や割れ・脆弱化」などの相談をお受けしています。検査への影響を懸念して、爪をいじってはいけないと思っている患者さまも多くいらっしゃるのですが、マニキュアやネイルコートの種類によっては爪を保護したり変色をカモフラージュするのにとっても有用です(ジェルネイルや一部ネイル用品は使用が推奨されませんのでご注意ください)。爪の変色に気分を落としていたけど、カモフラージュを覚えてから色々試され、逆に我々におすすめのネイル方法を教えてくださる患者さままでいらっしゃいます。また、あまりこういう分野に興味のない患者さまへは簡単な爪ケア方法などもご説明させて頂いております。
ネイルケア用品
乳がんによる乳房切除をされた方や手術を予定されている患者さまに向けて、人工乳房や補正下着の見本品やパンフレットも揃えております。当院は人工乳房の企業「マエダモールド」の見本品・パンフレットを設置している大阪府で唯一の病院になっています。
マエダモールド 人工乳房
乳がんの手術を経験した方々は入浴施設での入浴を躊躇することがあります。その問題を解決するために、私たちは患者さまに「入浴着」の利用を提案しています。入浴着とは乳がんや皮膚移植の傷あとをカバーするための入浴用の肌着で、最近では使い捨てタイプも市場に登場しており数種類の入浴着が市販されています。化学療法センターにサンプル品を展示しておりますので、入浴着の使用について不安な方や興味をお持ちの方は、ぜひ化学療法室スタッフまでご相談ください。
当院の化学療法センターの看護師や薬剤師が、ご相談に対応させていただきます。完全個室なので、ほかの患者さまに見られたり話しを聞かれたりすることはございません。「ウィッグ(かつら)をどう準備すればいいかわからない」「爪の色の変化が気になる」「社会復帰を控えて、見た目に対しての視線が心配」といった悩みに対し、患者さまが自分らしく過ごせるように一緒に解決策を考えてまいります。当院でがん治療を受けている患者さま・そのご家族さまでしたらどなたでも相談可能です。一人で抱え込まずに、まずはご相談ください。