抗がん剤の副作用とその対策
脱毛
がん細胞は増殖するという性質があります。抗がん剤は増殖する細胞に毒として働き、がん細胞を破壊します。毛髪や爪は成人になっても成長し、他の細胞と比較してさかんに活動しています。このような細胞は他の細胞より抗がん剤の影響を受けやすく、点滴の抗がん剤の多くは、治療後2-3週間で脱毛します。ウイッグその他については、パンフレットを用いて看護師から説明しています。
吐き気
抗がん剤の前に前投薬として、また投与後3日間は吐き気予防薬を使用しております。そのため、従来のような強い吐き気に苦しむ人はかなり少なくなりました。吐き気がもとで食事がとれないため入院するような人は現在ほとんどいません。
白血球減少
骨髄の造血細胞も盛んに分裂するため、抗がん剤の影響を強く受けます。抗がん剤により時期は若干違いますが、投与後1-2週間が白血球の値が最も低くなる時期です。38℃を超える発熱がある場合は抗生物質を服用してもらいますが、それで改善しない場合は、来院してもらい白血球を増やす注射をうつことがあります。
口内炎
口腔粘膜も増殖が盛んなためダメージを受けます。うがいを指導したり軟膏などを処方します。
関節や筋肉痛、しびれ
タキサン系の薬は、吐き気は少ないですが、このような症状がでることがあります。消炎鎮痛剤や漢方薬などを処方します。
浮腫
タキサン系特にドセタキセルは、回数を重ねるとむくみが生じることがあります。利尿薬などで対処します。
その他
便秘、下痢、倦怠感、味覚異常、肝機能障害など症状に応じて、内服薬などで対処します。副作用の強さによっては、抗がん剤を延期したり、減量したりすることがあります。