川口貴士 先生
「外科研修を終えて」
石切生喜病院では2018年4月から2022年3月までの4年間、消化器外科志望の専攻医として働かせていただきました。
当院は救急指定病院であることから、多彩な救急症例を診察し、多様なcommon diseaseを経験できることに加えて、地域医療の中核を担う、癌拠点病院として消化管・肝胆膵の悪性腫瘍を含めた専門性の高い症例が集まっており、それらを診療することができます。
さらに当科の大きな特徴は、若手に与えられる執刀機会が多く、自分自身も上級医の指導のもと、600例近くの経験を積むことができました。腹腔鏡下ヘルニア修復術、胆嚢摘出術をはじめとした低難度手術から始まり、急性汎発性腹膜炎、腹腔鏡下S状結腸切除、肝外側区域切除などの中難度手術も数多くの症例を執刀させていただき、少数ではありますが、膵頭十二指腸切除や腹腔鏡下低位前方切除などの高難度症例の執刀機会をいただきました。手術は内視鏡外科学会技術認定医や肝胆膵外科高度技能指導医の先生方の指導のもと行われるため、非常に質の高い手術を勉強することが可能です。また、手術以外でも何か困ったことがあれば常に上級医に相談できる環境が整っており、外来診療から周術期管理までを行う上で万全の体制が敷かれています。
さらには、外科専門医取得に必要な専門領域以外の手術経験を積みつつ、学会発表や論文作成などの学術的な指導もしっかり受けることができたので、専門領域(消化器外科専門医)へ繋がる修練を積むことができる事も大きな特徴だと思います。
石切生喜病院での4年間を振り返ると、毎日のように手術があるため、忙しい日々でしたが、非常に充実した研修生活であり、外科研修を行う上で、全く隙のない病院だったと思います。このような恵まれた環境を与えてくださった先生方に感謝し、患者様と向き合える外科医となれるよう、今後も精進していきたいと思います。4年間ありがとうございました。