胸が痛む(胸痛)

胸のあたりに感じる痛みのことを「胸痛」と総称しています。しかし一言で「胸痛」といえども、胸には皮膚・乳房・骨・神経 そして胸の中にはお腹の中と同様にさまざまな臓器(心臓・心臓に入る血管・出る血管・肺・気管支・食道等)があり、そのどれが病気になっても「胸痛」となり感じられます。胸痛を感じたら、まずその部位と痛みの特徴を観察することが大切です。

痛みの部位として胸骨(胸部中央を縦に走る骨)下部または裏側の激痛【心筋梗塞・狭心症】・胸骨の裏側で痛みに範囲が広く背部にも激痛【解離性大動脈瘤】・胸部中央以下~みぞおちの痛み【食道疾患・胃疾患・胆石等】・胸部側面の痛み【胸膜炎・自然気胸・膿胸等】の呼吸器疾患】・背部痛【胸膜炎・大動脈瘤・膵炎・脊椎、脊髄諸疾患】

痛みの特徴として狭心症(数分から10分前後で締めつける、圧迫するような感じ。基本的には労作時)・心筋梗塞(狭心症に似ているが痛みの程度が強く持続)・解離性大動脈瘤(突然起こる前胸部の引き裂くような激痛。痛みの場所が移動する)・肺炎、胸膜炎(刺すようなズキズキする痛み、呼吸で影響を受け、咳、くしゃみで増強することが多い)・心臓神経症、うつ病(一点のみがチクチクするような痛み)、帯状疱疹(肋骨に沿ったビリビリする痛み)

以上は、外来診療で見られる典型的なもので、時には病気が重なっていることもありますし、また痛みの感じ方は、人それぞれ大きく違います。痛みの部位、特徴を把握することで、ある程度病気を察しうる場合が多いので、循環器科・心臓血管外科・呼吸器科の受診をおすすめします。

受診をお勧めする診療科

乳汁がもれる・乳房の異常

乳房のしこり・乳房痛

乳房のしこりには、乳腺のう胞、繊維腺腫(良性のできもの)、乳腺症、化膿性乳腺炎などがありますが、何といっても重要なのが乳がんです。アメリカ、イギリス、フランスなどでは女性のがん死亡順位の第1位は乳がんです。日本でも乳がんは増加の一途をたどり、女性のがん発生の第1位を占めるようになりました。超音波検査、マンモグラフィー、穿刺細胞診などによってしこりの性格(がんかどうか)を調べます。他に、乳頭のまわり(乳輪)の治らない湿疹(乳がんの一種、パジェット病)や、乳頭からの血性分泌物にも注意が必要です。乳腺外科、婦人科、外科を受診ください。

乳がんの早期発見のためには、自己検診が大切です。
毎月1回、入浴中に石けんを十分にぬった乳房を、左側は右手で、右側は左手でなでるように触ってみるのがよい方法です。石けんが皮膚のまさつを減じて、内部がとてもよくわかります。
乳房痛は化膿性乳腺炎か、乳腺症(月経開始直後におこる)で生じますが、肋間神経痛を乳房の痛みと感じることが多いようです。

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