患者さまへ

TO PATIENT

尿・排便

下痢

腸内容の水分は大腸で吸収されて、塊となります。下痢は便に含まれる水分の量が増えた状態で、腸の運動が亢進して大腸を通過する時間が短くなったり、大腸の粘膜が障害されて水分の吸収が悪くなったり、あるいは腸粘膜からの分泌液が増加した時に起こります。

生理的な下痢

ストレス、食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎ、寝冷えなどであまり心配のないものです。

アレルギー性下痢

牛乳、卵、蕎麦などの食品や抗生物質などの薬品で起こるものです。

神経性下痢

大腸が何らかの原因で過敏になり下痢を起こすものです。精神的ストレスや刺激性の食品が誘因になることがあります。

感染性下痢

ウイルス、細菌、原虫、寄生虫などによる下痢をいいます。赤痢や病原性大腸菌による伝染病が含まれ、適切な治療が必要です。

中毒性下痢

きのこなどの食品中毒、水銀や砒素などの重金属中毒、化学薬品による中毒などがあり、原因によっては重篤な結果をまねくことがあります。

腸の炎症による下痢

潰瘍性大腸炎、クローン病、腸結核、憩室炎などがあります。

できものによる通過障害

大きなポリープやがんなどで内容が通過しにくくなると、便秘と下痢が反復することがあります。

腸以外の原因による下痢

慢性膵炎、黄疸を伴う肝臓疾患、胃や小腸の切除後などでも下痢を起こすことがあります。

下痢にはその原因物質や病原体を早く排泄するという作用もありますから、むやみに下痢止めを飲むことはよくありません。消化器科、内科、あるいは外科を受診して適切な治療を受けましょう。

受診をお勧めする診療科

便秘

便秘とは、便が異常に長時間 大腸の中にとどまっている状態をいいます。水分が吸収されて便の量が少なくなり、余計に便意をもよおさなくなります。

便秘の原因として、以下の5つが考えられます。

  1. 腸の通過障害
  2. 大腸の運動異常
  3. 排便反射の減弱
  4. 排出するための筋力の低下
  5. 生活習慣や医師による排便の抑制

便秘の頻度は性別、年齢によって異なりますが、一般的には女性に多く、年齢とともに増加します。若い人には自律神経失調が原因であるけいれん性便秘(腸の運動が強すぎる)が多く、これはストレスや不安のような精神的な原因が重要な役割を演じていることもあります。常習性便秘のうちの多くを占め、腹痛を訴える人もあります。

一方、腸の運動が悪いために便秘になるのは弛緩性便秘といって、高齢者に多いタイプです。腸内にガスがたまって腹満を訴えるのが普通です。
便秘は精神的な影響も強く、長期に渡り床についている場合や安静に保っている場合も起こります。 病的な便秘は、小腸の癒着、大腸のできもの、腹水などによって生じます。
便秘を治療しないで放っておくと、大腸の一部が膨張したり、長くなって、いっそう症状が進みます。そうなると、大量の下剤を飲んで下痢を起こさせる以外に排便できなくなり、健康にも影響を及ぼします。

消化器科の専門医に相談し、必要な検査を受けるとともに、規則的な排便の習慣をつけましょう。

受診をお勧めする診療科

血便・便の色の変化・・・黒くなる・白くなる

血便は、便に鮮紅色の血液が混じることで、普通、下部消化管(大腸)からの出血で起こります。便の表面だけや紙だけに血がつく場合、痔からの出血も多いのですが、大腸ポリープや大腸がんが潜んでいる場合があります。

また、通常の血便と異なり、大腸から分泌される粘液に血液が混じったものを粘血便といいます。
粘液、血液の量でイチゴゼリーやトマトケチャップのようになることがあります。大腸の炎症性疾患や腫瘍(大腸ポリープや大腸がん)のある場合にしばしばみられます。粘血便を起こす主な大腸の炎症性疾患には、急性の発熱、頻回の水様便や海外旅行後にみられる感染性腸炎、便秘気味のひとに突然腹痛とともにみられる虚血性腸炎、風邪などで抗生物質を飲んだ後にみられる抗生剤性腸炎、若年で慢性の下痢からおこる原因不明の潰瘍性大腸炎などがあります。

正常な便は黄褐色から褐色をしていますが、これは食べ物や服用している薬によって変化します。肉食をすると黒褐色になり、下痢便の場合には、醗酵性のもので淡黄色、腐敗性では暗褐色、脂肪性のものでは粘土色になります。また、葉緑素の多い野菜を食べると緑色になり、貧血の鉄材で黒色に、便秘薬のセンナで黄赤色になります。

しかし、重要な病気があり、便の色が変わる場合があります。黒色便(タール便〈コールタール状の黒色のどろっとした便〉は、上部消化管からの出血で起こり、吐血の項で記した胃・十二指腸潰瘍、急性胃炎、食道静脈瘤、胃がんなどの病気があります。
灰白色便は、胆汁の腸管内への排出がない場合にみられ、肝臓・胆道・膵臓の病気で起こります。 便の色に変化がみられましたら、消化器科を受診してください。

受診をお勧めする診療科

排尿・尿の異常

前立腺肥大

50歳以上の男性で排尿異常を訴える場合、前立腺肥大が最も多いようです。治療には薬物療法と手術とがあります。手術は内視鏡で膀胱・尿道に突出した前立腺を切除(TUR-P)が主で、約1週間入院が必要です。

前立腺がん

最近は前立腺がんが増加していますが血液検査(腫瘍マーカーPSAの測定)で早期発見できるようになりました。早期発見で適切な治療を受けることが大切です。

その他の原因

尿道の狭窄、膀胱結石、膀胱尿道の腫瘍、異物、神経性、また女性では子宮脱に伴って膀胱脱もおこり排尿困難になることがあります。

次に、正常な尿はまったく透明ですが、尿が白くにごって糸くずのようなものが浮いていたり、ひどくなると膿のようになることがあります。尿道、膀胱の炎症によるものです。
また、出血によって尿が赤くなることがあります。出血部位は腎臓、尿管、膀胱、尿道で、炎症、結石、異物、腫瘍、外傷、薬物中毒、出血性疾患など原因も多彩です。  泌尿器科を受診してください。

受診をお勧めする診療科

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