診療科・部門紹介
DEPARTMENT
診療科・部門紹介
DEPARTMENT
乳房内でがんが比較的限局していて(超音波、マンモグラフィー、MRIで調べる)、がんをすべて取り除くのに乳房全部をとる必要がない方、そして美容的にも満足できる乳房が残すことが可能な方が適応です。
当科の手術では美容面を考慮し、傷が目立たないように、①腋・②乳房下側の折れ目や・③乳輪皮膚の境界線を切開します。
残った乳房内の再発を防ぐために、術後放射線治療が必要です。
乳がんでは、がん細胞がタンポポの綿毛のように体内のあちこちへ飛んでいき、手術後もどこかに隠れていることが少なくありません。こうしたがん細胞を根絶する目的で、術後に薬物療法を行います。
また、手術が困難な進行乳がんや、しこりが大きくて乳房温存手術が困難な乳がんには、がんを縮小させて手術を可能にする目的で、術前に薬物療法を行うこともあります。乳がんの薬物療法には、主に「抗がん剤」、「ホルモン剤」、「分子標的治療薬」を用いた治療法があります。
乳がんは、ホルモン受容体、HER2受容体、がん細胞の増殖活性という3つの要素によって、大きく5つのタイプに分類することができます。それぞれのがんの性質が異なるため、治療には各タイプにあった薬物療法が選択されます。
乳がんのタイプを判定するには、以下の3つの要素があります。
乳がんの5つのタイプ | ホルモン 受容体 |
HER2 受容体 |
がん細胞 増殖活性 |
タイプに適した薬物療法 |
---|---|---|---|---|
ホルモン受容体陽性・HER2陰性タイプ (ルミナルA) | 陽性 | 陰性 | 低い | ホルモン療法(※1) |
ホルモン受容体陽性・HER2陰性タイプ (ルミナルB・HER2陰性) |
陽性 | 陰性 | 高い | ホルモン療法 ± 化学療法 |
ホルモン受容体陽性・HER2陽性タイプ (ルミナルB・HER2陽性) |
陽性 | 陽性 | ─(※2) | ホルモン療法 + 分子標的治療 + 化学療法 |
HER2陽性タイプ | 陰性 | 陽性 | ─(※2) | 分子標的治療 + 化学療法 |
ホルモン受容体陰性・HER2陰性タイプ (トリプルネガティブ) |
陰性 | 陰性 | ─(※2) | 化学療法 |
※1 ホルモン受容体陽性・HER2陰性タイプ(ルミナルA)の乳がんでは、リンパ節転移の状況により、ホルモン療法に加えて化学療法が考慮される場合もあります。
※2 このタイプの乳がんでは、がん細胞の増殖活性の程度は問いません。