●顔面痙攣、三叉神経痛の手術治療
三叉神経痛は、顔面の片側,頬部,口や眼の周囲,額などに生じる発作性の痛みで、”焼け火箸をつっこまれたような”とか,電気が走るような”と表現されてきました。患者さまは、痛みの発作がくると口を半開きにしてじっと痛みがなくなるのを待ったり、なかには痛みのために一週間以上も食事ができない方もおられます。
この三叉神経痛は、以前は原因のはっきりしているもの(虫歯,蓄膿,ウイルスによる神経の炎症,腫瘍による神経の圧迫など)と、原因の不明なものとに分けられ、ほとんどが原因不明なものとされてきました。
これに対しテグレトールなどの薬物療法や三叉神経に直接麻酔をする”神経ブロック”など痛みの症状を軽減する目的で治療が行われてきました。
半側顔面痙攣は、文字通り顔面の片側のまぶたや口元が引きつって、勝手にピクピクと動くものです。命に別状はありませんが、患者さまの苦痛としては深刻なものがあります。
このピクピクした動きは精神的に緊張した時に出やすく、ひどい人では一日中続くこともあります。
こうなると、人前にでる仕事は難しく、人を避けて家に閉じこもってしまう人も多いようです。
また、本を読んだり自動車を運転したりすることに支障をきたす場合もあります。
この半側顔面けいれんに対し以前は顔を動かす神経の一部を麻酔薬などで麻揮させてこの動きを止めていましたが、完治は難しいとされてきました。
★これら三叉神経痛、半側顔面痙攣のほとんどが、頭の中で血管が神経を圧迫しているために起こってくることがわかり、脳神経外科手術で症状を完全に取り除くことができるようになりました。
さらに、三叉神経痛、半側顔面痙攣の患者さまは、上記の症状からまず最初に眼科、歯科や精神科・神経科の先生方を受診されることがありますが、三また神経痛、半側顔面痙攣の一部は脳腫瘍や血管奇形が原困であるといわれており、早めに頭部を精密検査する必要があります。