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気管支喘息の病態と治療のポイント

【カテゴリー】コラム

気管支喘息とは、ゼーゼーと音がして息苦しくなる病気ですが、これは種々の刺激によって気管支が狭くなってしまうために起こるのです。気管支が狭くなる根本の原因は、「気管支の炎症」です。これを簡単に言うと、正常では滑らかですべすべした気管支が、ざらざらして荒れた状態になっているのです。

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よく使われている気管支拡張薬というのは、狭くなった気管支を一時的に拡げる作用があるのみで、「気管支の炎症」を抑える働きはないため、しばらくするとまた喘息発作が起こってきます。喘息の根本原因である「気管支の炎症」を取り去って、ざらざらして荒れた気管支を滑らかにし、発作が起こらないように予防してくれるのが、吸入ステロイド薬なのです。吸入薬ですから、薬剤が血液を通らずに直接気管支に入っていくので、全身への影響は少なく内服に比べて副作用もほとんどありません。 ただし、即効性がないため効果が出るまでに4~5日かかります。
また、スペーサーと呼ばれる吸入補助器を使って吸入することが重要で、これを使わないと十分な効果が得られません。

ピークフローとは、最大限に息を吸った状態からできる限り速く一気に吐いた時に出る空気の量のことで、これによって喘息の状態を客観的に評価できます。毎日測定することによって、発作の予知やコントロール状態の把握に非常に有用です。
ピークフロー計は比較的安価であり、また小型なので自宅でも簡単に測定できます。
現在、吸入ステロイド療法とピークフローによる管理が喘息治療の二本柱となっています。